ブリヂストン(5108)は、EPS成長性・PERの割安度・資源価格の低下や円高メリットといった観点から、今後の株価上昇ポテンシャルが高いと見られる銘柄です。
こんな方に特におすすめです!
✅ EPSが回復基調にある優良製造業を中長期で保有したい方
✅ 円高・WTI下落を味方にできる企業を探している方
✅ 「PER10倍台 × EPS再成長 × 将来利回り5%超」に魅力を感じる方
世界トップクラスのタイヤメーカーであるブリヂストンは、

2025年を底にEPSが急回復し、2026年以降は年5〜7%の成長が見込まれます
PERも過去平均(12.5倍)に戻るだけで株価上昇余地が大きく、配当利回りも将来的に5%を超える水準に育つ可能性があります。
本記事では、EPS予想と理論株価の推移、資源価格や為替との連動性、割安に放置されている理由、2030年に向けた目標株価とインカムリターンの試算まで、具体的な数字をもとに丁寧に解説していきます。
EPSと配当金の予測(2024年~2030年)
年度 | EPS(予測) | 成長率 | 配当金 | 配当性向 |
---|---|---|---|---|
2024年実績 | 416.2円 | – | 230円 | 約55% |
2025年予想 | 370.6円 | -10.9% | 230円(維持) | 約62% |
2026年予想 | 541.1円 | +46% | 260円 | 約48% |
2027年予想 | 580円 | +7.2% | 280円 | 約48% |
2028年予想 | 610円 | +5.2% | 300円 | 約49% |
2029年予想 | 640円 | +4.9% | 320円 | 約50% |
2030年予想 | 670円 | +4.7% | 340円 | 約51% |
EPS成長
・2025年は一時的な減益(過渡期)
・2026年は「ゴム・原油価格下落」「円高」「販売価格維持」により大幅反発
・その後は+5〜7%成長を想定(成熟銘柄としては健全)
※2027年以降はIR資料から予想
配当利回りシミュレーション
(株価:6,021円基準)
年度 | 配当金(予測) | 配当利回り(計算値) |
---|---|---|
2024年12月 | 230円 | 約3.82%(= 230 ÷ 6,021) |
2025年12月 | 230円 | 約3.82%(据え置き) |
2026年12月 | 260円 | 約4.32% |
2027年12月予 | 280円 | 約4.65% |
2028年12月予 | 300円 | 約4.98% |
2029年12月予 | 320円 | 約5.31% |
2030年12月予 | 340円 | 約5.64% |
配当利回りが年々上昇する構造
2026年以降、EPS急回復+還元強化を背景に利回り5%超が見えてくる

「今の株価で仕込めば将来は高利回り銘柄になる」=長期ホルダーには非常に有利な設計
PERから割安か判断する
■ 株価円で2027年EPS(580円)をもとにした現在のPER
→ 現在のPERは10.38倍
現在のPERは割安と言えるのか、比較して考えます。
過去平均・業界平均との比較
比較対象 | PER |
---|---|
現在(2027年EPSベース) | 10.38倍 |
過去3年平均PER | 12.5倍 |
ゴム製品業平均(25年4月) | 10.7倍 |
割安度の評価
評価ポイント | 内容 |
---|---|
過去平均PER倍に対して | 約17%割安 |
業界平均PER倍に対して | 約3%割安 |
EPS成長率(26年→27年) | +7.2%と高成長 |
通常、EPS成長率が+5%以上あればPER10〜12倍でも“妥当以上”と評価される
→ 今のブリヂストンはそれを満たしており、
「PERが割安」「EPSも伸びている」=ダブルで評価の余地
EPS成長の理由
① 原材料コストの低下による利益率改善
- 天然ゴム(RSS3・TSR20)価格、WTI原油価格が2025年初から明確に下落中
→ ゴム・合成ゴム・輸送・エネルギーコストが大幅に圧縮されている - 販売価格は過去数年で複数回値上げ済みで、すぐには下がりにくい
→ コスト低下 × 価格維持 = 利幅拡大(営業利益率の回復)
営業利益率が2025年の9.4% → 2026年には11〜12%まで改善する見込み
② グローバル需要の安定回復(特に北米・アジア)
- FRBの利下げや関税緩和により、北米の新車・交換用タイヤ需要が回復傾向
- ブリヂストンはOE(新車装着)・RE(交換用)ともに高シェア
- 中国・ASEANでの販売拠点・供給網の整備によりアジア成長も取り込める体制
販売数量の増加が、固定費の分散と利益増に直結
③ 高付加価値品へのシフトによる単価向上・構造的収益強化
販売チャネル・価格戦略の強化で、数量依存から単価・利益重視型へ転換中
EV・高性能車向けのプレミアムタイヤ(ENLITENなど)への注力
トラック・バス向けタイヤやメンテナンス事業を含むBtoBサービスも拡大中
3年平均PERから理論株価を計算
年度(期) | EPS(予測値) | 理論株価(PER12.5倍) |
---|---|---|
2023年12月期 | 484円(実績) | 約6,050円 |
2024年12月期 | 416円(実績) | 約5,200円 |
2025年12月期(予) | 370円 | 約4,625円 |
2026年12月期(予) | 541円 | 約6,763円 |
2027年12月期(予) | 580円 | 約7,250円 |
2028年12月期(推定) | 610円 | 約7,625円 |
2029年12月期(推定) | 640円 | 約8,000円 |
2030年12月期(推定) | 670円 | 約8,375円 |
株価6,000円は、2025年EPSベースではやや割高寄り
2026年以降はEPSが急回復予想
PER12.5倍を維持できれば、理論株価6,700〜8,300円の成長レンジ
2026年以降に市場が「再評価」し始めた時点で株価の上昇圧力が強まる構造
今後のブリヂストンにとっての好材料
- 原材料・エネルギーコストの下落
→ ゴム価格(RSS3・TSR20)・WTI原油価格が下落中で、利益率の大幅改善が期待される。 - 為替円高による輸入コスト減
→ 125~135円程度の円高基調が続けば、海外からの原材料調達コストが減少し、営業利益を押し上げる。 - EV・高機能タイヤ市場の拡大と収益構造の高度化
→ プレミアムタイヤや再生・メンテナンス型BtoBモデルへの転換が進み、長期的な収益基盤が強化される。
今後のブリヂストンにとっての悪材料
- 中国・新興国での需要鈍化リスク
→ 不動産不況や景気減速により、アジア圏でのタイヤ販売が鈍ると数量面に影響。 - 原材料価格の反発リスク
→ 戦争・天候不順・OPEC政策次第でWTIや天然ゴム価格が再上昇すると、コスト圧迫が再燃する可能性あり。 - 販売価格維持の困難化(競争激化)
→ 中国メーカーや韓国メーカーとの価格競争により、販売価格を下げざるを得なくなった場合は利益率が低下。
ブリヂストン(5108)は2025年を底に、原材料安・円高・需要回復の追い風を受けてEPSが回復軌道に乗る見通しです。
PERは過去平均や業界平均を下回っており、割安水準。

配当利回りも将来は5%超が期待でき、長期保有に適した銘柄
2026年以降は理論株価7,000円超が現実的で、現水準からの上昇余地は大きいと判断できます。
EPS成長・高配当・再評価の3要素が揃った中長期有望株です。